5月1日―幸せの訪れる日―
「はぁ。それにしても蘭に彼女が居たなんてねぇ。」
「そうなのか?!」
「そうよ~もう、とっても美人で礼儀正しい…そう!お嬢様みたいな感じの子よ」
「蘭にも彼女か。会って見たいものだなぁ」
「ふふふ。とってもいい子よ。私気に入っちゃった。」
何かイライラする。
なんでだろう。落ち着かない。
「ごちそうさま」
「えっ?もういいの?」
「うん。ごちそうさま」
私は自分のお皿をカチャカチャ洗う。
自分の心も洗剤でゴシゴシ洗いたい。
「あっ鈴!!ちょっとお願いしてもいーい?」
食卓のほうからお母さんが叫ぶ。
「何?」
私は濡れていた手を拭き、お母さんのところにいく。
「どうしたの?」
「蘭が起きているか見てきてくれる?起きてたらご飯要るか聞いてきて?お願いできるかしら?」
「分かった。行って来るね」
リズム良く階段を上る。
コンコン
蘭の部屋に着きノックをする。
が、返事がない。
一応、入ってみるか…
「蘭?起きてる?」
部屋に入りベッドの横に行く。
蘭ははぁはぁ言いながら寝ていた。
私は頭に乗せていたタオルを触る。
…乾いてきてるな。
洗面器の中に入っている水も温くなっていた。
下におりてタオルを洗って水も入れ替えて持ってあがる。
あっ飲料水、もって行こうかな。
冷蔵庫を開けるとポカリがあったのでそれも持って上に上がる。
蘭ははぁはぁ苦しそうだ。
タオルをおでこの上に乗せる。
ほんの少し落ち着いたように私には見えた。