5月1日―幸せの訪れる日―
私は蘭の頭に乗せたタオルを替えて立ち上がる。
クィッ
立ち上がった時に弱弱しく袖を掴まれる。
「…えっ?」
「俺が、寝るまで…ここに…居て?」
はぁはぁ言いながら、うるうるした目で蘭は言う。
「…いいよ。」
私はもう1度蘭の隣に座る。
私は蘭の目にかかっている髪を除けると蘭は目を細くした。
…キュン
不覚にも私はキュンとしてしまった。
そして
ギュッ
「?!」
蘭は私の手を掴んだ。
「蘭?!」
「………ちょっと…だけ…」
蘭はうっすらと目を開けたがまた直ぐに目を閉じた。
「蘭…??」
「……スースースー……」
「寝ちゃったの??」
私が問いかけても部屋には蘭の寝息が響くだけだった。
寝ちゃったか。
私は自分の手を蘭の手の中から抜き取り蘭の頭を撫でる。
「おやすみ、蘭。」
私はそう言ってリビングに下りた。
「あっ鈴?蘭、しっかり林檎食べた?」
「うん。ちゃんと食べてたよ」
「熱は?」
「まだ高かった。」
「そう、ありがと」
私はリビングに下りてきたが何もすることがなく、
自分の部屋に戻った。