5月1日―幸せの訪れる日―
「あのっ…」
しばらくした頃後ろから声が聞こえる。
振り返るとそこには瑞穂ちゃんがいた。
「こんにちは。もう起きたの?」
「あっ…はい。すみません。蘭くんはもう起きているので…私は帰ります。
今日はおじゃまいたしました。」
瑞穂ちゃんはペコリと綺麗な姿勢でお辞儀をする。
「いいえいいえ。これからも蘭のことお願いしますね。」
「はい。それでは…」
また瑞穂ちゃんはお辞儀をする。
顔があがった時ふと私と目が合った。
瑞穂ちゃんはにこりと微笑み、
「おばさま、おじさま、蘭くんのお姉さま、失礼いたします。」
ガチャン。
ドアが閉まり一瞬の沈黙の後、
「なんであんなに礼儀正しい子なの?!あんな子蘭には勿体無い!!」
「お辞儀の姿勢が本当に綺麗だったなぁ…」
と2人は褒めまくっている。
私はそんな空気の中部屋を出て行った。