5月1日―幸せの訪れる日―
陸が意味深な事を呟く。
「桜がどうかしたか??」
俺は振り返り陸を見る。
「いや…いろいろと、な。」
陸は癖なのか左手で左耳の後ろを触り、苦笑いをした。
「ふーん」
「ふ…ふーんって蘭!!もうちょっとダチの心配とかしたりしねーのかよ!!
『何か、あったのか??』みたいなさ」
「はいはい。話を聞いてほしいんだろ。」
大体陸のしたいことは分かっていた。
話を聞いてほしいんだろうな、って。
「放課後、聞いてやるよ。どうせ暇だろ??」
「蘭ーっ心の友よ!!!」
そう言って陸は俺に抱きついた。
「…お前はジャイ○アンかよ。てか離れろ。」
俺はびりびりと俺の腕に絡み付いている陸の腕をはがす。
「うぇーん。泣くぞ??俺。」
「泣いとけ。放課後話聞かないから。」
「…泣かない。」
ふっ馬鹿なやつ。
ま、こんなんでも俺の一番気の許せるダチ…なんだけど。