5月1日―幸せの訪れる日―

陸が意味深な事を呟く。

「桜がどうかしたか??」

俺は振り返り陸を見る。

「いや…いろいろと、な。」

陸は癖なのか左手で左耳の後ろを触り、苦笑いをした。

「ふーん」

「ふ…ふーんって蘭!!もうちょっとダチの心配とかしたりしねーのかよ!!

『何か、あったのか??』みたいなさ」

「はいはい。話を聞いてほしいんだろ。」

大体陸のしたいことは分かっていた。

話を聞いてほしいんだろうな、って。

「放課後、聞いてやるよ。どうせ暇だろ??」

「蘭ーっ心の友よ!!!」

そう言って陸は俺に抱きついた。

「…お前はジャイ○アンかよ。てか離れろ。」

俺はびりびりと俺の腕に絡み付いている陸の腕をはがす。

「うぇーん。泣くぞ??俺。」

「泣いとけ。放課後話聞かないから。」

「…泣かない。」

ふっ馬鹿なやつ。

ま、こんなんでも俺の一番気の許せるダチ…なんだけど。


< 48 / 67 >

この作品をシェア

pagetop