5月1日―幸せの訪れる日―


「ふー…んで??聞いてほしい話は??」

放課後、俺は陸を家に連れ来た。

陸はずっと友達だったからよくここにくるんだけど。

「いやー…その…」

陸は膝の上に乗せたマロンを撫でながら俯く。

「俺、好きな人が出来てさ…」

ポツリと言う。マロンを撫でる手を休めることなく俯きながら。

「うん」

「その、俺の好きな人…桜って言うんだけど。

そいつは…」


「……………」


そう言ったきり次の言葉を発しない陸。

ちょっと時間がたってからゆっくり口を開く。





「そいつは、


俺の兄貴の…婚約者なんだ。」



そう言った陸の顔はとても悲しそうな顔をしていて。





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