5月1日―幸せの訪れる日―
「俺、何度も諦めようとしたんだ。だけど…本気で好きだから…諦められなくて。
気持ち伝えたいのに伝えられなくて。
どうすればいいんだろ、俺。」
そう言って頭を抱え込む。
俺も陸と同じ立場だ。
伝えたくても伝えられない、そんな関係にある。
「なぁ、蘭、どー思う??」
はぁと大きな溜息が聞こえてきそうな声を出し俺の顔を見る。
同じ立場にあってしかも何の行動もしてない俺が何かいえるはずがない。
「蘭…俺、どうすればいいんだ??」
なかなか答えない俺にもう一度陸は聞く。
「俺は、言ってばっさり振られたほうがいいんじゃないか??
言わずにさ黙ってると思いがどんどん膨らみそうじゃん??
余計諦めきれない気がするから、思い切って言ってみれば??
でもお前の兄貴にも言ったら一言謝るべきだと俺は思う。
桜さんのことが好きだったから告ったって。
でも、桜さんは兄貴のことが好きだから振られたよって。悪かったなって。」
俺は陸に言った。
嫌、そうじゃない。自分に言ったんだ。
「そっか…そうだな。俺チャンスがあったら1度言ってみるわ。
ありがとな、蘭」