5月1日―幸せの訪れる日―

「え??蘭のこと??好きだよ??」

当たり前じゃんというような顔で言う鈴。

「違う。そういう意味じゃない。恋愛のほう。俺のこと、嫌い??好き??」

「え…えっと…」

そう言ったきり黙りこんでしまった。

「もう、いいよ今日は。でも、返事待ってるから。」

そう言って俺は部屋から鈴を追い出した。

返事なんて、決まってるのに。

姉弟だからって言われるのわかってるのに。

振られる覚悟で言った。

返事はいつになるのだろうか。

鈴にはこれからきっと避けられる。

姉弟としてもうまくいかなくなるんだろう。

でも、言わなければよかったと思う反面

少しすっきりしたような気もしていた。

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