短編集
「…も…っ…無理だよ」
ずっとずっと寂しかった。
タケちゃんお仕事って分かってるけど、デートなんてしないし。
電話だって、あたしがしないと掛かって来ない。
記念日だってきっと知らないよ。
ちょっとだけで良いから、言葉が欲しいんだ
だけど…もう…
「…別れたら、楽になるかな?」
「優羽?」
「あたしだけ、好きみたい」
タケちゃんの背中を追いかけてくの、疲れちゃった。
「…あたしは、何も言えないよ…」
「…うん」
「自分と話し合って決めな?」
早希は悲しそうに目を伏せていた。