短編集
side-YUU-
勘違いだった。
緒里さんは会社の同僚。
そんな事も知らずにヤキモチ妬いて、泣き喚いた自分が情けない。
だけど、あたしを抱くタケちゃんの手はいつも以上に優しくて…
ちゃんと愛されてるって思ったんだよ。
「…んんっ…」
唇に柔らかい感触を感じて目を開けた。
目の前には、優しく微笑むタケちゃん
指には、冷たいような締め付けられてるような違和感。
「…おはよ、優羽」
「お…はよ、」
指の違和感が気になって左手を見た。
「…っ…これ…」
左の薬指に光のはシルバーのリング
「…これっ…」
嬉しくて、涙が溢れ出す。
ありがとうって言いたいのに、涙が邪魔して言えないから、
タケちゃんに抱き付いた