短編集
午後7時。
約束なんかしてないけれど
ある人を、待つ
「…社長、明日は山下様が来られます」
「あぁ、分かってるよ。」
エレベーターから降りて秘書と打ち合わせをしながら、こっちにあるいてくる
わたしは深呼吸を1回してその人の元へ行く。
息を大きく吸い込み、
「龍ちゃん…っ」
「美結、また来たのか?」
呆れたようにため息を吐く、わたしの好きな人。
東野 龍一26歳
一流企業の社長
そしてわたしの幼なじみ
「いいじゃんっ!!ねぇ、ご飯食べに行こ?」
「美結、俺は忙しい、無理だ」
「意地悪っ!!ケチっ」
大概こう言えば、龍ちゃんはため息を吐いて仕方ないって言ってくれる