短編集




どうやって帰ったかは覚えてない。



気づけば自分のベッドの中に居て。
気づけば寝ていた。



これが夢なら、今日もいつも通り龍ちゃんに会いに行くのに。



だけど、鏡に映った自分の顔を見て夢じゃないんだって思う。


腫れた目に化粧の崩れた、見苦しい顔






「…龍ちゃ…ん」



恋って難しい。
自己満足じゃダメなんだ。
失恋から立ち直るのってどうしたら良いのか分からない



何もやる気がしない
溜め息しか出ない





伏し目がちに、カレンダーには、赤く円をしている日がある。



8月21日。来週だ。
龍ちゃんの誕生日



プレゼントあげたかったのに。
去年まではいつも手作りのケーキだった。



今年はバイトしてちゃんとしたプレゼントをケーキと一緒にあげたかった。




だけど、もう意味ない。




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