短編集
早く帰らないと風邪引いちゃうのに。
帰りたくない
1人になりたくない
楽しかった事ばっかり思い出して、相良が謝ってきたら許したくなるから
無意識のうちに私の足は公園に来ていた。
こんな雨だから遊んでる子なんて居ないけど、家よりはマシだ。
私は、端の方にあったベンチに座った。
雨と一緒に、相良との思い出も流れて行って欲しいと、本気で思う
まあ、無理なんだけど。
こんな冷静な自分に驚いてしまう
何回も浮気されてその度に泣いてたから、枯れたのかな。
突然、雨が体に掛からなくなったと思ったら、横に誰かが座った
「…?」
「どうしたの?お姉さん」
目の前にはサラサラな黒髪の爽やか少年。
うわー…美形だな。
「…お姉さん?」
「へ?あぁ、綺麗な顔してるね少年」
「へぇっ?」
びっくりしたように首を傾げる少年
急に、綺麗な顔だねとか言われても「はぁ?」って感じだよね