短編集
「あ、あはは!!何でもないよ」
「そう?なら良いんだけど、なんかあったの?」
私、変態みたい。
彼のサラサラな黒髪に触れてみたい。
「あー…何でもないよ?ちょっと黄昏てるの」
「この雨の日に?傘も差さないで?」
「…まぁ、色々あるんだよ。少年」
こんな話し、こんな純粋な少年に出来ない
第一、出逢ったばっかなのに
「少年じゃなくて、翔」
「翔くんか、」
翔くんと言うと、彼の顔が真っ赤になった。ような気がする。
翔くんは顔を隠すように、下を向いて
「お姉さんの名前は?」
「私は、千雪。」