短編集
「俺、今日たまたま兄貴の家行ったんだ。そしたらそこに千雪が放心状態で立ってて、千雪が帰った後、玄関のドアから2人の会話が聞こえてきて何があったか分かったんだ」
「そ、うなんだ」
「そ、だからさ、俺にチャンス頂戴」
ベンチから立ち上がり私の手を取って立ち上がらせる。
いつの間にか、土砂降りの雨は小雨になった
「…チャンス、くれるよね?」
顔は優しく笑ってるのに、オーラは私が断れない空気を作っている
「…うん、」
「よっしゃ!じゃあ、覚悟してね」
そう言って嬉しそうに笑う彼を見ると、こっちまで笑顔になってしまう