短編集




「先輩、俺が行きます」

「耕太が?」

「良いよな?サチ」

「…っ…はい」




不機嫌なのか鋭い目で私を見る耕太くんが怖くて俯いて頷いた


女子の先輩をチラッと見ると嬉しそうにピースしてくる。



全然ピースじゃないよ。
怖いよ何か、耕太くん



「じゃ行こう」



わたしの手を取って先輩達に背を向けて歩き出した
引っ張られるようについて行く




放課後だから、保健室の先生は居ない。


適当に座って居ると、耕太くんは湿布を持ってきてくれた



私の正面にある椅子に座って




「張るから目閉じて」

「わ…っ…ありがとう」



目を閉じて、湿布を張るのを待っているけれど、一向に張る気配が無くて目を開けようとした。



瞬間、唇に温かい感触


びっくりして目を開けると目の前には耕太くんのドアップ。




< 82 / 108 >

この作品をシェア

pagetop