短編集
「先輩、俺が行きます」
「耕太が?」
「良いよな?サチ」
「…っ…はい」
不機嫌なのか鋭い目で私を見る耕太くんが怖くて俯いて頷いた
女子の先輩をチラッと見ると嬉しそうにピースしてくる。
全然ピースじゃないよ。
怖いよ何か、耕太くん
「じゃ行こう」
わたしの手を取って先輩達に背を向けて歩き出した
引っ張られるようについて行く
放課後だから、保健室の先生は居ない。
適当に座って居ると、耕太くんは湿布を持ってきてくれた
私の正面にある椅子に座って
「張るから目閉じて」
「わ…っ…ありがとう」
目を閉じて、湿布を張るのを待っているけれど、一向に張る気配が無くて目を開けようとした。
瞬間、唇に温かい感触
びっくりして目を開けると目の前には耕太くんのドアップ。