短編集



「――っ!!!」




びっくりして後ずさろうとすると腕を引っ張られ、耕太くんの腕の中




「い…今のっ…て」

「サチは、俺の事嫌い?」

「…へっ…」





抱き締められながら聞こえる耕太くんの声は心地良い



「俺は、中学からサチの事知ってたよ」

「…へっ!!嘘」

「有名だった。可愛くてテニスがめっちゃ上手い人がいるって」




か、可愛いって…
まさか耕太くんの口からそんな言葉を聞けるなんて思ってもみなかった。



「それでさ、インターハイの時に…見て…」

「ん、」

「一目惚れ…した」

「えぇっ!!」




それって…それって。
私と一緒だ。




「高校入ったらマネージャーでサチが居て、びびった。」

「うん」

「サチと話したらドンドン好きになった」

「…耕太、くん」




耕太くんの気持ちに応えるようにギュッと手を背中に回した。




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