短編集
「ただいま。」
夏休み、始発で実家に帰った。
始発なら誰にも会わないと思ったから
「おかえり、紗絢」
「うん」
嬉しそうに笑う母。
そんな母を見て、私は帰って来て良かったと思ってしまった
「紗絢、寝る?」
「うん、少し。ママは?」
「ママはお仕事行ってくるね。」
「…うん、無理しないでね」
「大丈夫よ」
そう言って母は笑うけど、その笑顔から疲れが見え隠れしている
「私、夕飯作って待ってるね。」
「うん、楽しみにしてる」
そう言うと母は準備をして仕事に出掛けた