短編集
運んでくれたのは良いけど、翔太の部屋はもう逃げ道が無いから嫌だ
それでも、また翔太の部屋に入れたのが嬉しく思ってしまう
「…大分落ち着いたな」
ベッドに私を座らせ、その横に翔太も座った
「…っ」
「紗絢、ごめん」
翔太の掠れた声が切なく響く
「俺の所為で…虐められたんだよな」
「…」
「俺ずっと知らなくて、普通に初めは接したけど、そういうのも逆効果だったんだよな」
チラッと翔太を見ると、拳を握りしめていた。
そんな翔太を見ると、私は意志が弱いから。
許したくなる。