短編集





運んでくれたのは良いけど、翔太の部屋はもう逃げ道が無いから嫌だ



それでも、また翔太の部屋に入れたのが嬉しく思ってしまう




「…大分落ち着いたな」



ベッドに私を座らせ、その横に翔太も座った




「…っ」

「紗絢、ごめん」




翔太の掠れた声が切なく響く



「俺の所為で…虐められたんだよな」

「…」

「俺ずっと知らなくて、普通に初めは接したけど、そういうのも逆効果だったんだよな」



チラッと翔太を見ると、拳を握りしめていた。



そんな翔太を見ると、私は意志が弱いから。
許したくなる。





< 97 / 108 >

この作品をシェア

pagetop