私は愛されていた。
『歯ブラシ持った、化粧品持った、着替え持った。それから‥』



下着を手にした時、えりなの言葉が頭に浮かんだ。


「男の家に行くんだよ??その先に何かあっても‥」



『後悔なんてしないんだから!!』

そう言いながら用意した荷物を少し大きなバッグに入れた。



少しすると携帯が鳴った。

曲は渡部さん専用の曲だった。


私は、すぐに受信ボックスを開いた。

「着いた」



『短っ!!』

でも渡部さんらしかった。




『行ってきまーす』

お母さんに一言いってから家を出た。





『お待たせしました』


そう言って助手席に座った。



『じゃあ、行くか』


車が走り出した。
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