私は愛されていた。
家に着くなり、まずは携帯の電話帳に登録した。


グループ名
「バイト先」

名前
「渡部さん」


と。




『明日の集合場所と時間を聞かないといけないし‥きっと南ちゃんも知らないと思うし。

ほら、連絡先知らないと明日大変だしね』



そう、自分に言い聞かせて‥

思い切って発信ボタンを押した。





プルルー



プルルー



心臓の音が大きいよ(泣)



『ヤナ??』



『キャッ。
えっ?あっ、はい。

ヤナです。お疲れ様です』



動揺してるの絶対に気付かれてる(泣)



『なんだよ〜
お前から電話しといて「キャッ」とかないだろ』


少し寂しそうな声だった。



『ごめんなさい』


私は謝った。




『明日の事で電話くれたんだよな??

明日は10時にバイト先に来てくれね??それから高木にも連絡しといて。
俺、お前の番号しかしらないから(笑)』




俺、お前の番号しかしらないから‥

俺、お前の番号しかしらないから‥


何度も頭の中でリピートされた。





『おい!!聞いてるか??明日、4人になったから』



私はほかの事を考えていて、渡部さんが今言った事を聞き流してしまった。
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