私は愛されていた。
『では面接を始めます。
今までバイトの経験は??』



『ここが初めてです。今まで部活動をしていてバイトをする時間がありませんでした。

でも先月、高校最後の夏の大会が終わり引退しました。

卒業後は大学進学を希望しているので、入学資金を貯めようと思いここでバイトしたいと思いました』




『でも、なんでここを選んだの??』

と、マニュアル通りの質問だった。




バイトの面接とか初めてだったから家で何度も面接練習をした。


だから練習通りに‥

練習通りに

『店内は小規模ではありますが、地域の事を考えた商品が陳列されています。

また、お客様とコミュニケーションをとりながらニーズに応えた商品を提供できるのがこの店の特徴で、そこに惹かれました。』

と、答えればよかったの‥




店長の話し方が優しくて、笑顔がステキで‥




なんか落ち着く。

なんか家族と会話してるように思えてきて‥



『家から近かったので。』


と、率直な理由を言ってしまった。




あっちゃあ〜

こんな事言ったら落とされる‥




そんな私を見て



クスッと笑いながら

『正直でよろしい。これからよろしくなヤナ』





えっ!?

ヤナって私の事だよね?




『でも、その顔止めて??チョット‥キモイ(笑)』




前言撤回!!!
最低(怒)




これが、この店の店長との最低な出逢いだ。






『じゃあ、さっそく明日の5時から頼むなヤナ』




このバイトを選んでよかったと、今はまだ思いもしなかった。



彼に出逢うまでは‥
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