トライアングルⅡ


私はものすごい勢いで立ち上がった。


「奈美!!あんたの子供が待ってるよ??早く抱っこしてあげなさいよ!!」


「菜子・・・」


私は泣きながら叫んだ。


「・・・・・ねぇ・・・・・ち・・ゃ・・・ん・・・・?・・・春・・・斗・・?」


「「奈美!!!」」


「奈美!」


「・・春・・・斗・・・・う・・・ち・・・・・の子・・・は・・・?」


奈美は今にも消えそうな声で話し掛けてきた。


「大丈夫だ。元気に寝てる」


「・・・よ・・・か・・っ・・・・た・・・」


「奈美・・・奈美・・・・」


「ねー・・・ちゃ・・・ん・・ごめん・・・ね・・・」


「いいの。あんたが子供を置いていかなかっただけでも」


そして私は家に帰った。


< 29 / 33 >

この作品をシェア

pagetop