TRUE
日常
セレナードの競技期間が始まって、まもなく2週間が経とうとしていた。
生徒たちは少しずつ、寮での生活に慣れ始め、新しい友達と行動するようになり 食事のときも仲良し同士で固まって座るようになっていた。
君哉は勇太・菜美・瞳の4人で一番舞台側、一番右端の4人用のテーブルで毎回ご飯を食べるようになっていた。
「ちょっ…ひとちゃん!それ私のウインナー!」
「いいじゃん、なみが残しとくから悪いんでしょー。ほら、有園クンのあげるから(笑)」
「おぃ!俺だって最後まで残しておいたのに!」
わずか2週間の間に、勇太と瞳ははかなりの仲になっていた。時々菜美も巻き込まれ、君哉はあいかわらず見ているだけだった。
「まったく…なんか神谷を見てると懐かしの“真由“を思い出すよ…なぁ君哉」
「別に。」
君哉は自分のウインナーをしっかりフォークで刺してから言った。
「“真由“さん?って誰?」
瞳がちょっと落ち着いて聞いた。
「あぁ、俺らの女友達でさ……厄介な奴だったな、とにかくでしゃばりで」
「ふーん…」
瞳はやきもちをやいたように拗ねた顔をした。