TRUE
菜美は少し落ち着いて顔を上げた。

「ご……ごめんね、君哉くん… 私のせいでこんなコトになっちゃって…」

菜美はそう言って、心配そうな上目使いで、君哉を見た。

君哉は顔が赤くなるのを感じた。涙のザァーという音につれて、ドキドキが激しくなった。

髪が濡れた菜美はとてつもなく美しい。そしてびしょ濡れになっても崩れていない顔が普段化粧をしていないコトを物語っていた。

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