TRUE
テニスコートに着くとすでにたくさんの人が集まっていた。そしてコートにいるのは・・・
「菜美、あの2人のどっちか?」
瞳がにコートを指して言った。
「ううん…」
菜美は首を振った。
菜美は辺りにいないかと、観客席に目をやった……
「ひとちゃん!いたよ、あの人!」
菜美は君哉のいるほうを指しながら瞳を引っ張っていった。
「あの……昨日はありがとうございました。」
菜美が話し掛けると君哉と知らない男子が振り向いた。
「……」
君哉は一瞬菜美を見つめたが少しうなずいただけでテニスコートに視線を戻してしまった。菜美は戸惑いながらも話を続けようとした。
「朝倉クンはテニスでここに来・・・」
「も・・もしかして、有園クンですか!?」
急に瞳が声をひっくり返しながら言った。
「あぁ、そうだよ」
勇太は慣れた口調で言った。
「すご~い!!!こんな有名人が一緒のセレナードなんて・・・私、神谷 瞳です。よろしく!朝倉クンもよろしくね。」
勇太は笑って握手の手に応えたが、君哉はまた黙って頷いただけだった。