TRUE
君哉の呼びかけに菜美が振り返った時、ちょうど勇太の投げたスリッパが君哉の顔面に直撃した。
そのせいで鼻血が出るやら、君哉がスリッパを投げ返すやら、バスに遅れそうになって怒られるやらで結局聞けずじまいになってしまった。
同時刻 福岡空港
「ちょっと臣哉! 早くしてよー!!!」
「わかってるよ! まったく…試合が終わってすぐに移動なんて扱い荒いぜ。最後あんなに完璧に決めてやったのに…」
男は試合用のウェアのまま、汗だくでバッグをひきづって走っていた
「何が完璧なのよ! タイブレークでダブルファースト打つ奴なんて聞いたことないし! なんであんなことしたのよ、あれ入ってなかったらぜぇったい負けてたじゃん!!!」
女は怒りの形相で振り返って言った。
「“アイツ“ならそうすると思ったんだよ」
男が後ろから叫んだ。しかし、 アナウンスや飛行機の音で女には聞こえなかった。
もう空は夏空だった。ハッキリとした青に、絵に描いたような白い雲が浮かんでいる。そんなワクワクさせるような風景が男を立ち止まらせた
《 そうだろ…? “君哉“ 》
そのせいで鼻血が出るやら、君哉がスリッパを投げ返すやら、バスに遅れそうになって怒られるやらで結局聞けずじまいになってしまった。
同時刻 福岡空港
「ちょっと臣哉! 早くしてよー!!!」
「わかってるよ! まったく…試合が終わってすぐに移動なんて扱い荒いぜ。最後あんなに完璧に決めてやったのに…」
男は試合用のウェアのまま、汗だくでバッグをひきづって走っていた
「何が完璧なのよ! タイブレークでダブルファースト打つ奴なんて聞いたことないし! なんであんなことしたのよ、あれ入ってなかったらぜぇったい負けてたじゃん!!!」
女は怒りの形相で振り返って言った。
「“アイツ“ならそうすると思ったんだよ」
男が後ろから叫んだ。しかし、 アナウンスや飛行機の音で女には聞こえなかった。
もう空は夏空だった。ハッキリとした青に、絵に描いたような白い雲が浮かんでいる。そんなワクワクさせるような風景が男を立ち止まらせた
《 そうだろ…? “君哉“ 》