TRUE
ボールはセンターに突き刺さり、ボスがラケットを振ったころには後ろの壁に跳ね返っていた。ゲーム終了だ。
ボスは崩れ落ちた。
「はい残念。早く帰れよ。」
君哉がネットを乗り越え、ラケットを渡しながら言った。
「おいおいマジかい。ずいぶんラケットも握っとらんと違うんか?」
ボスは急に気さくになって言った。君哉はキョトンとした。
《なんだコイツ…大阪弁…?》
「フッ……なるほどな。おかげさんで燃えてきたわ。今日は悪かったな。あの子たちにも謝っといて~な。別にイジメたろうと思ったんちゃうで?」
ボスは荷物を片付けながら君哉にしか聞こえない程度の声で言った。そして去り際に…
「ほな、全国大会で会おな…朝倉 君哉」