メガネ君はヤンキー君
「誰よりも
一生懸命で
前向きで
正義の味方で
他の女子みたいに
うるさくないし
こんな無愛想な
おれにも優しく
してくれて
でもどっか抜けてて
かわいいとこも
たくさんあんだろ?」
そのままゆっくり
近づいてくる南の顔。
南はあたしの耳元に
顔を寄せて、
甘い声で囁いた。
「そんな杏が
おれは大好き」
おもわずゾクリとする。
それを見て南は
ふっと笑った。
「耳、弱いんだ?」
そしてあたしの
耳を甘がみする。