メガネ君はヤンキー君
今のあたしの気持ちとは
正反対な明るい声が
背中からとんできた。
「わっ…紗弥さん!?」
「わかってるわ。
何も言わなくて
いいのよ?」
「あの…?」
「うんうん。
今まさに杏は
悩める乙女なわけね?」
「はあっ!?」
「だから練習にも
身が入らないわけだ。
んで!
結局南にしたのね?」
紗弥さんの言葉が
一瞬理解できずに
数回まばたきを
繰り返す。
「はっ…?」
「だから~
あんたは南のことが
好きなのね??」