メガネ君はヤンキー君
着いた…。
あたしは分厚い扉を
力いっぱい開いた。
「星也さん!!」
中を見渡すと、
最初は薄暗くて
わかりづらかったけど
すぐ近くの壁に
ぐったりと
もたれかかってる
星也さんがいた。
周りには鉄パイプが
乱暴に落ちている。
「星也さんっ!
大丈夫っ???」
「ん…?
おお、杏。
良かった。
無事だったんだな」
「ちっとも
良くないよお~」
「何泣いてんだよ」
へへっと力なく
笑いながら
あたしの涙を
ぬぐってくれる
星也さん。
「こんな血だらけで…!
何でここまで…」
「だってよ。
男が途中で
逃げるわけには
いかねえだろ。
それに…
杏を守らねえと、
って思ったら
止まんなくてよ」