メガネ君はヤンキー君
「じゃ!
そーゆうことで!
案内しろ、杏」
「え!?
ちょ、わあッ!」
助けを求める目で
パパたちを見たけど
サブはゲームに夢中
パパはひらひら
手をふっている。
そ、そんなあ~;
―――…
「すっげえ広いのな」
「そーですか」
「オレん家は
ボロアパートだから!」
「そーなんですか」
「なんかテンション
低くねえ??」
「だって…」
ちょっと恋したかも
とか思ってた人が
ホントはヤンキーで
しかも同居することに
なるなんて…。
「そんなに
オレがいや…?」
「え…」
振り向けば
間近にある顔。
横にある腕。
ヤンキーのくせに
子犬のような
うるうるした目で
あたしを見つめる彼。