メガネ君はヤンキー君
「さて…やるかあ」
みんなが帰った
静かな教室で
黙々と仕事に
とりかかる。
「よし。できた…」
日誌などをまとめて
職員室に向かう。
廊下の角を
曲がったところで
数人組が目に入った。
1人の男子生徒を
5人くらいで
囲んでいる。
「なあ、オレもう
おこづかい
なくなっちまってさあ?
お前まだ残ってんだろ?」
「…」
「おい、なんか言えや」
「…」
「じゃあもう金は
いいからさ、
ジュースでも
買ってきてくんね?」
あたしは考えるより
先に体が動いていた。