メガネ君はヤンキー君

「うぐッ!」

「ぐあッ!」

「うわッ!」

「ぐはッ!」

「わあッ!」



あたしは次々と
向かってくる男たちを
片っ端からねじふせた。



「に、逃げろッ!」

「ふうッ!
口ほどにもない」



はッ!!



あたしはそろりと
囲まれていた
男子生徒を伺う。



案の定、彼は
呆然としていた。



「はッ!あのッ!
じゃ、じゃあッ!」

「待って!」



あたしがすたこらと
走り出すと、
後ろから彼に
呼び止められた。



「君!名前は?」

「あ!杏です!
泉 杏!!」

「泉…杏。
泉…?」

「で、では!」



急いで逃げたあたしは
気づかなかった。


彼がにやりと
笑っていたことに。



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