正義のヒーロー“探偵物語”
「今も、探してるの?」
「いや。もう止めたんだ。鈴のことを考えるのはさ。だから、依頼が来た時は本気でびっくりした…」
「あたしが、慶吾を支える。そばにいて、ずっと、慶吾を支える……。だからっ…、もう、…………鈴さんのこと、忘れなよっ…!」
ガタッ
バタンッ!
それだけ言うと、
理恵は荷物を持って倉庫を出ていった。
通りすぎた時、
理恵の頬に流れる涙を見た。
でも、俺は…
今の俺は、
あいつを追い掛けることは出来ないから……。