一意愛心
「ねぇ〜あたしのこと好き…??」
「好きに決まってんじゃん!!」
見つめ合う…
「はいはい!そこまで〜!!!」
いきなりあたし達の甘い雰囲気はさえぎられた。
「春菜(はるな)〜〜〜〜邪魔すんなって〜!!!」
「あのねぇ、今の雰囲気は女子同士で出すものじゃないの〜!!!」
「んでもうちら愛し合ってるじゃんね??」
華織(かおり)がおどけた顔であたしを見る。
「うん!!!」
あたしもおどけた感じで答える。
私、由奈(ゆな)と華織はまた顔を見合わせた。
いやいや、レズじゃないよ!!!冗談だかんね!
今私達は高校の帰り道。
三人とも同じ茶道部。
活動は月に1、2回程度。
だからいっつも自転車押しながらおしゃべりしてゆっくり帰ってる。
しかもあたし達三人は同じ中学校。でも、春菜は転校生。
中学校の頃は春菜とはてんで関わりがなかった。
華織とは同じクラスにはなったことないけど、吹奏楽部で一緒だったから関わりは濃ゆい。
「由奈は最近どうなの〜??」
三人お得意の恋ばな。
春菜が切り出した。
「うーん…。まだ内緒♪」
あたしは照れながら下を向いて答えた。
多分にやにやしてる…
「なんで〜〜??」
華織があたしの顔を覗きこんできた。
「うふふ♪♪」
あたしはこの二人に意味ありげな笑顔を残してみた。
「由奈あやしっ!!」
春菜が不気味そうにあたしを見るけど、気にしなぁい♪
「あっ華織は彼氏さんとどうなの??」
話題を変えるべくあたしが華織に聞いた。
「まぁらぶらぶよん☆」
「毎回その答え〜!!」
「んだってぇ...らぶらぶなんだもん☆」
にかっと華織が微笑む。