先生とあたし(仮)
「…あんた自分がちょっとかっこいいからって調子に乗ってんでしょ?」
「ああ?」
槻嶋が上から鋭い眼差しであたしを見る。
そんな眼なんかに負けないんだから!!
「言っておくけどね、あたしはあんたみたいなやつが大っ嫌いなの!!」
ここまで言って、ハッとする。
「へーえ。大っ嫌いなんだ、俺のこと」
意地悪な笑みを浮かべながらあたしに顔を近づけてくる。
「そっ…そうよっ…」
「その割には顔赤いみたいだけど?」
今や少し口を動かしたら唇と唇が触れそうな距離。
悔しいけど、こいつ、顔はかっこいいんだもん。
「…やめて!!」
槻嶋を突き飛ばそうとするけど、男の人の力にかなわない。
「嫌だね」
槻嶋はあたしを玄関に追いやって両手首を掴む。
「何すんのよ!」
「…そういう顔、いいね」
「はぁ!?…んっ……ふぅ…」
あたしの反論する声を塞ぐように槻嶋の唇があたしの唇に降ってくる。
「ん…ちょ…っはぁ…やめ…ぅん…」
口を開いた隙間からスルリと舌が入りこんであたしの口の中を好き勝手に動き回る。
体の力がどんどん抜けていくのがわかった。
「あれ?感じちゃった?」
槻嶋の低くて妖艶な声が耳元で響く。
「…~~~~!!」
あたしは緩んでいた手首を掴む手を振り払うと急いで自分の部屋に戻った。