先生とあたし(仮)
実は頭をポンポンってされるの好き。
有美や瀬南、百合にも言ったことないけど。
たぶん景斗の昔からの癖。
あたしが弱気になったり、泣いたりするといつもしてくれた。
景斗の手は安心するんだよね。
そのこと、景斗は知ってるのかな?
あたしと景斗で作ったカレーは景斗の作ってくれるカレーより人参がかたくてジャガイモなんてほとんど溶けていた。
それでもおいしいっていってくれた景斗に心が温かくなった。
夕飯の片付けも終わってまったりタイム。
景斗はソファーに座ってテレビ、あたしはベッドの上でゴロゴロ。
してることは違うけど、やっぱり小さい頃から知ってるから一緒にいて落ち着くんだよなー。
あたしは何気なく、ソファーに座ってる景斗を見た。
「ねー」
「あー?」
「何で彼女作んないの?」
「……」
「ねー何で?」
すると、景斗はいきなりこっちを向いてニヤリと笑った。
「何?そんなに気になる?」
「…別に。瀬南とか有美が話してたから何でかなって思っただけ」
景斗のニヤリ顔はあたしにとっての黄色信号。
「ちょっとトイレ……ぅわっ!」
逃げようとトイレに行こうとするけど、景斗はそれを許さない。