先生とあたし(仮)
「ハル、これの答えが何でこれになるの?」
お昼の準備をしようと鞄をガサゴソしていると百合がやってきた。
自分は教えてくれないのに、あたしに教えを請うのか百合ちゃんよ。
けど、いつもは教えてもらってるのであたしは親切に教える。
「ここのXがこうだから、ここがこーなって、でこっちのこれとこれを代入して…」
って説明するんだけど、
「…やっぱり全くわかんないわ。
もう、ハルに聞くんじゃなかった」
なんて言われる始末。
だったら初めから聞かないでいただきたい。
あたしは人に教えるのが下手らしい。
自分ではわかってるのに人に説明するのは難しいもんだ。
瀬菜や有美も来て、みんなでお弁当を広げる。
みんなが美味しそうなお弁当を広げる中、あたしはパンっていう悲しいオチなんだけど。
だって朝早くなんて起きれない。
目の前で繰り広げられるイケメン話に耳を貸すことなくボーっとパンを食べていると有美にいきなり話しかけられた。
「今度の日曜暇ー?」
「…へ?日曜?」
メロンパンから口を離して有美を見た。