先生とあたし(仮)
「そんなガミガミ言うなよ、お前は近所のおばちゃんか」
おばちゃんじゃねえし!!
まだピチピチの16歳だし!!
「……」
とりあえず着替えよう。
あたしは部屋着を手に脱衣所まで向かった。
なに?あのわがまま男。
とても教師だとは思えない発言の数々。
グー………
「お腹すいたなー…」
考えてみたら昼ごはんも食べてないわけだから、お腹も空くわけだ。
「オムライス食べられちゃったし、何か作るか」
部屋に戻って制服をハンガーにかける。
槻嶋はオムライスも食べ終わってソファーに長い足を組んで気だるそうにもたれかかっている。
……。
あれだけ性格悪くても顔がいいと得だと思う。
槻嶋がかっこいいのは認めよう。
そこまであたしも強情じゃないし。
でも性格があれじゃなあ…。
「んだよ?」
「べっつにー?」
あたしの視線に気づいたのか、槻嶋があたしの方を見てくる。
まあモテるのも納得といえば納得。
「俺に見とれてんじゃねえよ」
不敵に笑むと槻嶋はまたテレビに視線を戻した。
…やっぱり前言撤回。
こんなやつがモテるとは認めない。