旦那様は社長 *②巻*
「子供扱いしないでくれる?」
「だってガキだろ?」
そう言うと、チュッとあたしのおでこにキスを落とす。
「悠河よりはマシ」
そんな社長の仕草に、つい可愛げのない態度をとってしまう、どうしようもないあたし。
でもやっといつもの毒舌に戻った気がする。
「はいはい。じゃあ行ってくるから」
適当にあたしの攻撃を受け流し、ポンポンと頭を優しく叩いて社長は部屋を後にした。
社長は普段は駄々をこねることが多いけど、こういう場面に遭遇すると、“大人の男”にいきなり変わる。
そのギャップに、またあたしは魅せられていくんだよねーー。
今だって……
ーーコンコン
不意に部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「はい…」
あたしの返事と同時に、ガラガラとドアが開く。
「あっ」
こちらに向かって歩いてくるのはーー…
「宮下先生……」