旦那様は社長 *②巻*
「ああ、そうそう。その代わり、秘書課の女の子たち紹介してくんない?」
「……は?」
「だからー、秘書課のべっぴんさんとお近づきになりたいなぁ……オレ」
少し上目遣いで、首を傾げながらあたしを見ている。
はああー……とため息をつきながら、きっとこの顔で色んな女の子たちを落としてきたんだろうなと思った。
「社長に、女遊び禁止されてませんでしたっけ?」
「ああ、無理無理。オレの体の栄養源は8割が女なわけ。そのオレから女とったら、悪いけど何の役にも立たないよ?」
「………」
それ以上はあたしも何も言えなかった。
この人……
社長とはまた違った意味でエロだ。
「光姫ちゃーん、そういうわけでさ、悠河には内緒で頼むよぉ」
あたしの目の前で両手をパンっとくっつけ、必死に拝んでる藤堂さんがだんだん不憫にも思えてくる。
「まあ……8割の栄養源は大きいですよね」
「マジ!?いやぁ、光姫ちゃんの知り合いなら期待できそう!!」
よっしゃあ!!と、ガッツポーズを作りながら、目をキラキラさせてハシャぎ回る藤堂さんは、まるで小さな子供のようにも見えた。
「よしっ、じゃあ光姫ちゃん、約束だからね?」
そう言うと、藤堂さんは書類を持ってあのテンションのまま社長室を後にした。