旦那様は社長 *②巻*
「起きてッ!!寝るなッ!!……起きろーーッ」
スイートルーム中に響くあたしの叫び声。
「んー……」
それでも悠河はまったく起きる気配がない。
こうなったら最後の手段。
あたしはバシバシと枕で悠河の身体を叩いた。
「んー…痛いッ!あー……もう何なんだよ、お前!しつこいぞ!?」
やっと悠河が目を擦りながら起き上がった。
かなりご機嫌ナナメなご様子で。
「誤解しないで。あたしは別にしたいわけじゃないから!!」
「はぁ?……何?ぜんぜん聞こえねー」
こんな至近距離にいるのに、聞こえないわけがない。
……ぜったい聞こえたくせに。
ムカつく!!
「だから、あたしは別にヤりたくないから!!」