旦那様は社長 *②巻*
まさか今の時代、乳母なんていないよね?
子守歌には洋楽とか?
食べ物だって……専用のシェフが子供のうちから全て栄養管理したりするの?
あたし何も分かってないんだな……
有栖川家のこと。
正式に『有栖川の嫁』と公表されたんだから、きっと今までと変わっちゃう……色んな何かが。
まずはあたしが変わらなきゃ。
有栖川家に相応しい人間に。
だからまだ子供は……。
「何思い詰めた顔してんだよ。……また何か心配事か?1人で悩むなっつったろーが」
あたしの頭をグイッと自分の胸に引き寄せると、悠河は「はぁぁ」と深いため息をついた。
「……乳母って、いる?」
「はぁ!?」
「……なんでもない」