旦那様は社長 *②巻*
「え?何?」
「お前さ、子供のことどう考えてる?」
……子供?
そう言った悠河の顔は真剣そのもので。
あたしも冗談なんかじゃなく真面目に答えなきゃって思った。
「あたしは……正直まだ、子供は欲しくない…かな……」
「なんで?」
「だって、あたしがまだ有栖川家の人間として相応しくないから。……今子供ができたりしたら、跡継ぎの子供をちゃんと育てられる自信……ないよ」
きっと今生まれたら、あたしは慣れない環境と周囲のプレッシャーに負けちゃう。
そんな母親じゃあ、子供だって不幸だよ。