旦那様は社長 *②巻*

「え?何?」

「お前さ、子供のことどう考えてる?」


……子供?


そう言った悠河の顔は真剣そのもので。

あたしも冗談なんかじゃなく真面目に答えなきゃって思った。



「あたしは……正直まだ、子供は欲しくない…かな……」

「なんで?」


「だって、あたしがまだ有栖川家の人間として相応しくないから。……今子供ができたりしたら、跡継ぎの子供をちゃんと育てられる自信……ないよ」


きっと今生まれたら、あたしは慣れない環境と周囲のプレッシャーに負けちゃう。


そんな母親じゃあ、子供だって不幸だよ。


< 26 / 409 >

この作品をシェア

pagetop