旦那様は社長 *②巻*
「……バカ」
本当にバカ。
だけど……
そのバカな悠河が、あたしは大好きなんだ。
スケベで変態で、セクハラ発言を連発する悠河が、世界で1番大好き。
もちろんコレも、おばあちゃんになるまで教えてあげない。
「光姫、平気?」
「う…ん…」
悠河はとても丁寧に、そして今までで1番優しくあたしを愛してくれた。
無理はよくないと、たった一度だけだったけど、とてもとても濃厚な時間。
はしたないくらい感じた。
あたしは今日という日を忘れない。
育ちすぎた悠河への想いを認めた日。
育ちすぎた悠河のあたしへの想いを知った日。
悠河との未来が確かに見えた日。
またスレ違ってしまうことがあったら、今日という日を思いだそう。
…──2人で。
「二度とはなさない」
そう囁く声と、瞼に感じる温かくて柔らかい感触。
とても穏やかで幸せな空気に包まれて、あたしはそのまま意識を手放した。