旦那様は社長 *②巻*
「んもう、大丈夫だってば。ただの定期検診だし」
「けど悪阻……」
「平気だから!!悠河はお仕事してればいいのッ!!」
ピシャリと言い放つと、悠河が少しシュンとした表情に変わる。
言い過ぎたかな……。
ギュッと、身体に回された腕に力が加わった時、ゆっくり自分の手を絡めた。
「ごめんね、悠河。ヒドイ言い方して……って、ちょっと!!」
「傷ついた」
「だからごめんって。……やッ、バカッ」
いつもの悠河。
朝から男の子度マックスのスケベな悠河。
「ちょっ、どこ触って……ッ」
必死に手の動きを封じていると、耳元で甘い声で囁かれた。
「嬉しいくせに」
「……」
確かにイヤじゃない。
むしろ、すごく心地いい。
『もっと』って思ってしまう。
もちろん、そんなこと言ったら身の破滅だから、言えやしないけれど。
「図星?」
「……悠河のせいだよ」
「何が」
そうだよ、全部悠河のせい。