旦那様は社長 *②巻*

「続き、しよっか」

「だ、ダメッ!!」


すっかりその気になってしまった悠河は、あたしをお姫様抱っこして、せっせと寝室へ向かう。


「イーヤー!!今日病院だって言ったでしょ!?」


今日だけは……

今日だけはぜったいに阻止しなきゃ!!


「病院までには終わらせる。オレだって会社だし」

「そ、そっか……」

「納得した?」

「うん。……ん?」


何か引っかかっている自分がいる。


寝室の扉が開いてベッドが視界に入った時、我に返った。


「やっぱりダメーッ!!」

「いてッ」


何流されてしまっているんだろう。

時間とか、そんな問題じゃないのに!!


「すぐ終わるって」

「すぐとか、そういうことじゃ」

「じゃあ何だよ」


この会話の間も、悠河はあたしのワンピースのファスナーを下ろしていく。

とにかく早すぎる。

……手が。


「昨日もしたし……」

「1回だけだろ」

「でも、赤ちゃんによくないかもしれないし……」

「……ああ。ビックリするかもな」

「でしょう!?」


思い直してくれたのかと、ガバッと勢いよくベッドから起き上がった。


< 281 / 409 >

この作品をシェア

pagetop