旦那様は社長 *②巻*
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「あははははははッ」

「先生、笑いすぎです」


今朝の悠河との会話の一部始終を聞いた佐伯先生は、大口を開けて笑い転げた。


よっぽど“オカマちゃん”が先生のツボにはまったらしい。


確かに、冷静になってみればそんな心配、必要ないのに……。


「悠河くん、本当に光姫さんにゾッコンなのね」

「えッ!?」

「だって、あなた似の娘だなんて……。ふふッ」

「先生?」


最後の含み笑いが気になる。

首を傾げていると、先生はまるで母親のような穏やかな表情に変わった。

安心したような、柔らかい微笑みを浮かべて。


「ずいぶん変わったものだわね。あんなに女性に淡白だったのに」


もしも悠河のお母様が健在だったなら、きっとこんな感じだったに違いない。


「先生は悠河が本当に可愛いんですね」

「えー?まぁ、生まれた時からよく知ってるからね」


先生はそう言うと、あたしを診察台へ導いた。


「エコーで赤ちゃんの様子、確認しましょうね」

「はい」


この瞬間、ものすごいドキドキ感と緊張感に包まれる。


赤ちゃんの鼓動を聞いて、生きてるんだって実感できるドキドキ。

悪阻でロクに食事をとれない自分のせいで、赤ちゃんがちゃんと育っていなかったらどうしようっていう緊張。


だけど今日は……



「先生?」


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