旦那様は社長 *②巻*
でもここには他の水上ヴィラは見当たらない。
……なんで?
「当たり前だろ?」
「へ?」
「せっかくのハネムーンだぞ?他のカップルがいちゃついてるトコ見て何が楽しんだよ」
「……」
「だからこの辺りは有栖川が一週間貸し切って、このハネムーンのために特別にココを建てたってわけ」
「へぇ……」
話の規模が大きすぎて、他に言葉が見つからない。
だってハネムーンでそこまでする!?
やっぱり有栖川って……
常識ないよ……。
一体いくら出せば貸し切れるんだろう?
なんて興味あるけど、きっといつもの調子でサラッとすごい額を口にするんだろうから、聞くのは止めておくことにした。
聞いちゃったら気が引けて楽しめないかもしれないし。
「なぁ。どうだ?お前のリクエスト通りの内装にしたんだけど……」
「えッ」
……そう言えば以前、泊まるならどんなホテルがいいかって聞かれたことあったっけ。