旦那様は社長 *②巻*
■第3章■熱いハネムーン②
しばらく抱きしめあっていると。
「……ッ」
なんか、耳がこそばゆい。
「ちょっと、何やってんの!?」
い、今……絶対にあたしの耳噛んだ──!!
「何って、甘噛み?」
そんな平然と答えないでほしい。
こっちが恥ずかしいから!!
「んもうっ、せっかくボラボラ島に着いたっていうのに……これじゃあ、いつもと変わんない!」
恋人たちの甘い時間はやっぱり夜でしょう?
そんなあたしを無視して悠河はヒョイっとあたしを抱き上げた。
“お姫様抱っこ”
「な、何やってんの!?」
まさかこのまま……
ベッドに倒れ込むんじゃ!?
「何って、風呂だよ」
「なんだお風呂か……。って、お風呂!?」
「いちいち反応すんなよ。長旅で疲れてんだろ?今日はもう遅いし、観光なら明日だぞ?」